神田堀八つ下がり―河岸の夕映え (徳間文庫)



神田堀八つ下がり―河岸の夕映え (徳間文庫)
神田堀八つ下がり―河岸の夕映え (徳間文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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おちゃっぴいの続編

この作品集に出てくる作品のいくつかは、前作「おちゃっぴい」の中のそれの続編。
岡っ引き伊勢蔵の娘婿は子分となって「身は姫じゃ」に登場し、
薬種問屋の菊次郎は言葉使いもすっかり商人となって「神田堀八つ下がり」に登場する。

作品の中にとても気に入った一節がある。
「浮かれ節」の中で、主人公・三土路保胤が心の中で語った一節。
“ずっと年をとった時、一生で一番忙しく過ごした一日を懐かしく思い出せればそれでいい”
いいねぇ、自分もそんな一日をつくって懐かしく思い出したい。

作品全体は、宇江佐さんにしてはちょっと読みにくい気がする。
状況説明がくどくど続く部分が多いんじゃないかな。
そんな訳で評価としては星3つにとどめさせていただく。
妙手による人情市井物語

六編の短編が収められている。一つ一つはせいぜい30分で読み終えることが出来る。しかし読み終わった後、30分どころかその後何日も余韻の残る小説は得がたい贅沢である。最近何百ページもの長い本を読み終わった途端に何も残らない刹那的小説の何と多いことか。宇江佐真理の物語にはまるのは冥利につきることである。
心の琴線に触れる

初めて宇江佐さんの小説を読んだときの率直な感想は時代劇を見るよりおもしろい!でした。この作品も期待通りでした。 川の流れや、水、河岸をキーワードに物語は展開します。生きる者にとって水はなくてはならないものであり生命の根源。だからこそ癒されるのかもしれません。物語に出てくる大川や竃河岸など行ったこともないのにその状況が浮かんできます。読み手にとって、映像やイラストなしにここまで情景が色鮮やかに繰り広げられるのは幸せなこと。情景描写や人物の設定が色濃く描かれているので、まるで知り合いのような気持ちで読みすすんでいきます。これも宇江佐さんの小説の醍醐味ですね。



徳間書店
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