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神無き月十番目の夜
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 214729 位
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| 発送可能時期: | 通常3〜5週間以内に発送
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| 参考価格: | ¥ 1,890 (消費税込)
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史実への大胆な考察を加えた傑作
徳川光圀はじめ代々の水戸藩主でさえ沈黙を固く守り通し、歴史の闇に葬り去ろうとした陰惨な事実。水戸藩の草創期に起した小生瀬村虐殺事件を題材に、冷静な史観をもって事実を推測し、これを脚色して仕上げた見事な作品。飯嶋和一氏に脱帽します。「一村皆殺し」という水戸藩の闇部について、これが白日となるには実に明治になるまで時を経ました。私自身もこの小生瀬村現地に行って土地の人に話しを聞きました。生瀬の人たちは水戸藩による一方的な虐殺とは思っていません。それは常陸の新領主徳川氏と旧領主佐竹士族の「戦争」だったと認識しているのです。作中登場する村人たちの心意気と同じなのです。
新支配者が保とうとする「体面」。そして今後の支配を容易ならしめようとする「見せしめ」。勝てない事と知りながら死を賭して戦った農民、帰農士族の魂魄。結末に救いは無くとも新たな世の芽吹きを感じながら、山野に祖霊と宿った人々の声が聞こえてきます。
生々しい迫力がある作品
時代は変わり徳川の世になった。だが小生瀬村の住民達は屈しようとは
しなかった。検地にやってきた役人をひそかに葬り去るという暴挙に出る。
肝煎の一人石橋籐九郎が最悪の事態を避けようとどんなに奔走しても、
事態は坂道を転がり落ちるように悲劇に向かってつき進んでいく。住民達の
運命を先に知ってしまっているだけに、読んでいてかなりつらいものがあった。
徳川家康に従うのか?逆らうのか?どちらにしても住民達にとっては悲劇だった
と思う。だが、彼らが選んだ道が正しいといえるのか?村が滅びてしまったと
いう事実を前にして、籐九郎の無念さをあらためて思う。歴史の闇に埋もれて
いた事件を元に書かれたものなので、生々しい迫力がある作品だった。
峻厳な事実に立ち向かう作品
◆江戸幕府開府直後、北関東・現在の茨城県北部の小生瀬(現在の 大子町小生瀬)という村は、 伊達の勢力との境界にあり、昔から半農半武の生活を営んできた。 しかし、関が原の合戦で徳川家康が実験を握り、伊達の脅威がなく なるとともに、 相次ぐ廃藩や大名の配置換えにより、この地も惣検地の対象とな る。 開花寸前の田から水を抜き、田を荒らしながらの検地に村人達は激 しい反感を募らせ、 役人達を暗殺する。その後村に入ろうとした検使をも殺害するにいた り、 村全体が幕府に反抗するという事態にいたり、この村の住民300人 余りが、 一人残らず殺害され、村は全滅する。 ◆物語は全滅した村の確認に派遣された一人の武士の述懐から始 まり、 時間を遡って、事件の真相に迫っている。 役人支配の腐敗と、農民達の純粋な願いのはざまで、 村の肝煎り・石橋藤九郎は苦悩しつつ村人の懐柔と役人への申し 開きに苦慮する。 しかし、思わぬところに藤九郎を陥れる輩がいたのだった。 濃密な文体と複雑な構造で、読者に緩むことを許さない厳しい作品 である。 そこに作者のこの事件を通しての民衆への愛情が感じられるのであ る。
飯嶋和一にはずれ無し!
ストーリーは、とても悲惨な話しではあるんですが、感想を一言で言うなら、”面白かった〜!”の一言です。 「雷電本紀」「始祖鳥記」などの本を読んでいたので、もちろん面白いだろうとは、思っていましたが、本書は他の作品に比べて、ページ数が少ない事もあってか、スイスイとあっという間に読めてしまいました。旧御騎馬衆の大藤嘉衛門が小生瀬の村に派遣されてくると、百軒余りもある宿場に人の気配が全く無い。囲炉裏の灰は固まっていないし、お供えのお餅もひび割れていない。間違いなく人々が何日か前迄住んでいたと思われるのだが。。。と、いった謎を含んだ導入部分から一気に読ませてくれます。 飯嶋和一の本の題材になる人達って誰もが知ってるっていう訳では無いのを丁寧に調べあげているので、(月居騎馬武者って本当にいたんですかね?格好良いですよね〜。)色々発見があって楽しいです。寡作な作家なので、次から次へと本を読み漁ると言う訳にいきませんが、これだけ丹念に色々と調べられているとそれも仕方が無いかなと思います。ぜひとも、この質の高さをずっと維持し続けて欲しいです。
星6つ。
ひとことで言って、素晴らしくよく書けている時代小説だと思う。歴史には公の記録としては残されず、年代すら定かではない、ある『事件』の伝承。 その少なすぎる資料を基に書かれた小説だとは思えぬほど話が理詰めに進行し、 息を殺して読まなければならない箇所があるほどに鬼気迫るものがある。 感情論に頼らず、起こったことだけが極めて淡々と綴られているにもかかわらず、 江戸時代初期の政や農民の暮らしの、色や音や匂い、水の冷たさまでもがまざまざと感じられ、 物語が破滅的な内容だけに、読み進めるほどに哀しさと恐ろしさが募っていった。 正直言ってこれを読むまでは全く知らなかった事件だが、読後は並々ならぬ興味が湧いた。 心に深く刺さる本である。
河出書房新社
黄金旅風 雷電本紀 始祖鳥記 (小学館文庫) 汝ふたたび故郷へ帰れず リバイバル版 黄金旅風 (小学館文庫)
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